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 大阪(旧村野・森建築事務所の見学) (2024/06/15)

5月18日
草屋根の会を主催される、建築家・前田由利さんが行かれたクラッシックのコンサートで、たまたまお隣の席のご高齢の方とお話をされたそうです。
その方、建築家・村野藤吾の建物の金物関係をつくる仕事をされていた上野保彦さんという方と判明。
旧・村野・森建築事務所が、現在、友安製作所&カフェということで活用されているのですが、その建物を見れる。しかも上野さんのご案内を聞けるということで、前田さんをお誘いしたそうです。
前田さんは関西大学OBで、関西大学建築学科OBの「千里山建築会」の幹事もされています。
関西大学には村野藤吾設計の校舎が多くあり、老朽化して解体したものもありますが、千里山建築会ではそれをなんとか残せないかというような活動もされています。

5月20日
というわけで千里山建築会と、草屋根の会で、急ですが6月15日の16時集合で行ける人!ということで草屋根の会のほうにも案内がありました。
大半は千里山建築会の方ですが、顔見知りな方も何人か来られるよう。
面白そうだから参加することにしました。

当日、実はカットとカラーの予約をヘアサロンに入れていて、12時半スタートとなていました。
2時間で終えられれば、宝塚から阿倍野に移動して16時は間に合うな。
いつものmars HOMの担当・タニーに聞くと、カットとカラーしていっぱいいっぱいかもとのこと。
仕方ないですが、それでOKですー。

6月15日
-12:00-
さて、では行きますか。
てくてく歩いて行きます。

-12:10-
阪急・小林駅から電車に乗って、宝塚へ。
こじんまりな小林駅 宝塚行に乗ります
-12:25-
阪急・宝塚駅で降ります。
長いJRの踏切
-12:30-
いつもの「mars HOM 宝塚駅前店」にやってきました。
marsさん
お、今日はオーナーもいますねー。
お久しぶりです。

どうやら、アシスタントさんと上手く調整して、できるだけのメニューはしてくれそうです。

カットとカラーだけと思っていましたが、結果的にシェービングと眉カット、トリートメントとヘッドスパ、エクシモまでできました。
ナチュラルスパができなかったくらいかな。すごい、さすがプロ。

-14:30-
希望時間通りに終了しました。
ありがとうございますー。
宝塚駅へ
-14:35-
阪急・宝塚駅から宝塚線に乗ります。

-15:15-
阪急・大阪梅田駅で降ります。
梅田―
てくてく歩いて。大阪メトロの谷町線へ。

梅田阪急のコンコースでは、「HANKYU ART FAIR 2024」が開催されていました。
天井にでかい根っこが
望月虹太「"GREEN SEED" 最終章〜大樹とともに、また踏み出す。〜」です。

-15:20-
大阪メトロ谷町線・東梅田駅から地下鉄です。
学生時代毎日のように乗った谷町線
大阪メトロは、廃車再生プロジェクトなるものに取り組んでいます。
紋章付置時計
-15:40-
大阪メトロ谷町線・阿倍野駅で降ります。
トイレ行っとくかな。
メトロの駅のトイレに絵が飾ってあるなんてびっくり ようおこし
東側のちょっとディープなほうへと歩いて行きます。

-15:45-
友安製作所 Cafe&Bar」にやってきました。
おおー いいねーいいねー
お店の前に顔見知りな方が。
ご挨拶します。

しばし外観見て待ちますよ。
ショールーム的な フロア案内
こちらの建物は、建築家・村野藤吾が、元々木造の事務所があったところに自身の事務所「村野・森建築事務所」として1970年(昭和45年)に設計。
その後、村野・森建築事務所が移転した後、個人宅を経てミュージアムとして生まれ変わる計画もあったようです。
村野・森建築事務所の事務所として利用されなくなった後、現在の形になるまでは、一部分がテナントとして使われていたそうです。
そして、友安製作所さんが買い取り、実際に使用されていた貴重な歴史的建造物を村野建築のこだわりを残しながら、2017年(平成29年)12月にインテリアショップとレンタルスペースを併設したおしゃれなカフェ&バーにリノベーションしたものです。
東側
外で待っていると、結構お客さんが入っていきます。
女性比率が高いですねー。
エントランス
-15:55-
前田さんから連絡があり、既に中で上野さんとお茶しているとのこと。
待たれているお客さんが多くいることから、後から来た人たちは順番を待ってお茶するということはやめておき、一旦外に出られて上野さんのお話を聞くことになりました。

上野さんのおられた、上野製作所は、元々三重で神社仏閣の金物を扱っておられたそうですが、それでは売り上げがなかなか上がらないということで、仕方なく、1950年(昭和25年)に村野藤吾氏の仕事で、大阪そごうに携わったのが村野建築とのかかわりの始まりそうです。

上野さんは金物の方なので詳しくはわからないとのことですが、村野建築で通常より極端に大きいタイル目地は村野藤吾があみだしたものだということです。
帰宅後調べてみると、目地を極端に大きくしたり小さくしたり、また目地深さに変化つけることで、変化に富んだ壁の表情をつくったようです。
幅広の目地では目地材として大きな細骨材を利用し、既成のの調合セメントは使わず、セメント、白セメント、珪砂、寒水などを独自の比率で混ぜて使っていたとのこと。
また、建設現場で掘削した土屋砂を目地材に混ぜてその建築特有の目地をつくることもあったそうです。
幅広の目地はクラック防止もあるそうで、築50年の建物ですが補修した跡などは特になく、オリジナルのままっぽかったです。
すごいなぁ。
タイル壁 目地すごい
このタイルは、シャモットタイルってやつかな。

エントランスには、関西大学にもあったエキスパンドメタルを利用した門扉があります。
エキスパンドメタルは、金属板に千鳥状の切れ目を入れて押し広げ菱形・亀甲型の網目状に加工した製品です。
切って伸ばす加工のため、小口にバリが出るので、手で触れるには実は適していません。
上野製作所の職人さんは、これを手作業でやすりをかけて怪我しないようにしたそうです。
職人さん、結構大変だったそうです。
村野建築あるある
出られないベランダ
エキスパンドメタルの門
参加の方から、心斎橋プランタンの話が出たり。
かつて心斎橋筋商店街に建っていた喫茶店です。
螺旋階段の手すりは、上野製作所の手によるものだったそうです。
籐を巻いているのですが、上野製作所の職人さんは、なんでこんなことするのか・・・。といった意見もあったそうです。
2003年に閉店し、今はもうありません。

心斎橋プランタンが1956年(昭和31年)の建物、その後1958年(昭和33年)の新歌舞伎座(2015年(平成27年)解体)へと手すりデザインは継承されたようです。

上野さん自身は1965年(昭和40年)に入社され、職人さんの手配やら営業関係などを主にされていたそうです。
村野作品の目黒区役所(当時は千代田生命保険本社ビル)や、関西大学への打合せにも行っておられたとのこと。
目黒区役所の螺旋階段も上野製作所の手によるものだそうです。

村野建築の階段は非常に上りやすいということでした。

1975年(昭和50年)の新・都ホテルの螺旋階段は、目黒区役所のミニチュア版というお話でした。

アルミハードマットの特許を持っていたり、ステンレスのバイブレーション仕上げによる扉を発案したりといろいろなこともされたそうです。
1962年(昭和37年)には、尼崎市役所新築で日本で初めてビニールハンドレール手すりを使用したそうです。
これはいい!と、船舶関係(大型フェリーとか豪華客船など)から言われ採用したそうですが、船舶では環境が過酷すぎビニールが溶けたりして、その後改良したそうです。

村野・森事務所では、村野藤吾本人とお話することはあまりなかったそうですが、一番弟子のような方で近藤正志と言う方がおられましたが、その方をはじめ3人くらいの所員の方とよくお話されていたそうです。

村野建築とのかかわりはじめは、突如事務所に呼ばれて金物の製作依頼を受けたそうですが、その時の上野製作所のキャッチフレーズが「造幣局以外のお金(金属)はなんでもやる」ということで参画したようです。

チャレンジ精神旺盛で、上野さんが職人さんに銅とステンレスを溶接して灰皿を作ってほしいと課題を出すこともあったそうです。
アルゴン溶接では銅とステンレスは融点・硬さ・電気抵抗値等の差が大きく限りなく条件は悪いので、普通は溶接ではなくハンダ付けをするそうです。
そんな課題を出す上野さんと職人さんの喧嘩もよくあったそうですが、それも結局条件を克服して溶接できたそうです。
チャレンジ精神の現れですね。
お話を聞く
東側に不思議なでっぱりがありました。
最初からかなぁ。
いろいろと調べると、オリジナルからあるようでした。わざわざ外壁のアクセントとして出っ張らせた模様。
内側も外側にあわせて窪みがあり、給水栓があるような画像もネットで発見しました。
いいねー 東側
壁と柱の細かい取り合い部分が何とも言えません。
いい感じですなぁ
地下があるので、地下の明り取り用にガラスブロックが埋め込まれています。
現在地下はレンタルルームになっているようで、いきなりは入れないようですね。
前田さん撮影を拝借
近くには、あべのハルカスがあり、雰囲気的には独特な感じです。
すぐ近所にはラブホあるし
では、中を見学しましょうということに。
友安製作所Cafe&Bar
入口の外扉は、関西大学でも見たエキスパンドメタルを使った扉です。
すごい発想だなぁ 忍び返し
この、エキスパンドメタルの門扉は、上野製作所製で、先は忍び返しのようにしています。
関西大学の中にもこれと似た扉が多くあるのですが、千里山建築会の皆さんは、見慣れすぎて職人さんの、やする苦労とかは思いもしなかったとのこと。

2階への螺旋階段はオリジナルのままです。
竹を切ったようにしたいという村野藤吾のイメージでつくられています。
上がる上野さん おーステキー 螺旋階段
竹を切ったイメージと言われればなるほどなと
ドアの把手がいいですねー。
これは村野デザインの上野製作所製なんでしょう。
こういうの作るところって今はそうないよね ステキな把手
やすったのだろうなぁ
上から螺旋階段をみてみます。
1周半で1フロアってとこかな いいねー ステキ
壁に沿った手摺もシンプルですがいいですね。
なんともいえない絶妙な感じ
2階は現在インテリアショップになっています。
上野製作所さんと友安製作所さんが関係あるかどうかわかりませんが、村野建築を彷彿させる、結構いいデザインの金物が販売されています。
中庭のほうを見てみる 今は屋根が掛かっています
カフェ面積増やすため?
奥に行くと以前は書庫に使われていたスペースがあります。
今はカーテン&壁材室
中2階があり、3層に使われていますが、折り返しで幅900mm(半分なので450mm幅の階段)というのもすごいですね。
ぽっちゃりさんは厳しいかも
書庫の中は狭い空間ですが吹き抜けになっています。
オリジナルは床ってどうなっていたのかなぁ。
吹き抜けは元からだろうなぁ 一応落下防止にネットあります
棟札のようなのがありました。
村野藤吾の銘 昭和45年5月30日設計
階段は、ささら桁の鉄板に、曲げ加工(または溶接組み立て)の階段が溶接されていますね。
元はシート貼っていたのかな 曲げ加工かなぁ 片持ち
中庭の屋根なかったら、どんな感じだったのでしょうかね。
ちょっともったいない
降りていきます。
皆さん興味津々
元々グレーチング床で、そこにリノベーションした時に床を張ったような感じの部分と、元からデッキプレート上にコンクリート打っているような部分が狭い中に混在していますねー。
また、柱はRC造ですが、梁は鉄骨・BHだな。
こっちはデッキプレートだよね 階段裏 吹き抜けを見上げる
1階からカフェスペースを通り、外へ。

エントランスに趣ある、ちょうどサイズがフィットした傘立てがあるんですよね。
これもオリジナルかなぁ。
上野さんもわからないそうです。
しっくりしていますよね 壁タイルを床に使っているような気がする
コンクリートの天端は、わざと骨材出しているのかなぁ。
そんな感じ こっちは明らかに後から入れている感じ
さて、いいお時間になりましたので、見学会は終了。
懇親会に向かいます。

西側は駐車竪になっていますが、以前はどうも村野事務所に接する形で別の建物があったそうです。
それ解体しちゃったから、村野事務所のほうの壁を折板で隠したようですね。
ちょっと違和感 まぁ友安製作所としてはいいと思う もう少し色を抑えられたらねー
周辺は新しいマンションができていたり、過去には建築物があったであろうコインパーキングが多くあったりで、当時の風景の中に村野建築がどう存在していたかはもうわかりませんが、再開発が進む中、の子っと欲しいですよね。

てくてく歩いて、あべの筋に出ます。

-17:00-
「袋屋」さんにやってきました。
おー
上野さん、通っていたそうでお店の方も上野さんをご存じでした。
そういえば、4年ほど前にmisenさんと来たなぁ。(こちら

最後のほうに入ったら、上野さんと同席させていただける席になりまた。
コースでお願いします。
今日は26種類くらいあるのだとか。
こちらに運ばれます
それでは乾杯ー。
17:07
ビール♪
上野さんありがとうございましたー
串カツいただきながら、上野さんのお話を聞きます。
上野さん、ハードディスクにいろいろとデータを入れておられたそうで、それを前田さんのところで吸い出してくださっていました。
アポロビル?
楽しいお話を伺いながら、串揚げ食べていきます。
アスパラ美味しい 17:18
そしてビール♪
いやぁ、串美味しいなぁ。
いいねー
宝塚カトリック教会の、村野藤吾氏のスケッチとかありました。
尖塔は実は避雷針だそうで、上野製作所はその避雷針を作成したのだとか。
こちらも村野スケッチ
で、串いただきます。
うまーい 17:37
ハイボールにシフト
以前からお知り合いの、お向かいに座られた方が、実は同い年だったということがわかり、距離を詰めていくため飲んでいきます(笑)
串進む 海老美味しいなぁ 18:00
そしてハイボール
半分くらいいきましたか?
これで15本 18:17
ハイボール
京都の新・都ホテルで宿泊しながら、京都の村野建築ツアーもしたいねーなんていう話も。
お茄子も美味しい いいねー カニまで
ということで、23種類で1周回ったということで、ストップしておきます。
18:52
ハイボールもこれで終了
その後、いろいろとお話。

違うテーブルの方々とも少しお近づきになれました。

というわけで終了です。
外に出ると雨でした。
折り畳み傘持ってきていてよかったー。

-19:55-
大阪メトロ谷町線・阿倍野駅から地下鉄です。
地下鉄は線路際に高圧電線 これね
地下鉄がやってきました。
学生時代からこのデザインだったような気がする
-20:15-
大阪メトロ谷町線・東梅田駅で降ります。
帰りの梅田阪急
-20:20-
A-1ベーカリー寄っていきますよ。
ほとんどないなぁ
-20:25-
阪急・大阪梅田駅から乗ります。
9号線まである大阪梅田駅
阪急・西宮北口駅で宝塚方面に乗り換えます。

-20:55-
阪急・小林駅で降ります。

雨だなぁ。
てくてく歩いて帰ります。
ゴマとチーズのパンを買った
思いもよらない前田さんと上野さんの出会いで、楽しく貴重な見学会となりました。
上野さんも、もう村野建築とのかかわりを話すことはないのだろうと思われていたようですが、いろいろとお話いただける貴重な機会を得られてよかったです。
もっといろいろなお話を聞きたいですねー。
新・都ホテルの会が実現するといいなぁ。

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