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1月18日 個人的に応援している、丹波篠山の酒蔵、狩場一酒造さんが面白い取り組みを始めたのを知ります。 その名も「蔵ファン」。 クラウドファンディングなのですが、蔵のファンでもっと仲良くなりましょう!というもののようです。 面白そう!
思い返すと、狩場一酒造の「秀月」を知ったのは、もう15年以上前のことだと思います。 当時は飲む主流が焼酎だったこともあり、日本酒に関してはそこまで思い入れがなかったのですが、昔から篠山といえば、「秀月」と鳳鳴酒造の「鳳鳴」が主流だったので、篠山で飲むことがあればよくいただいていたお酒でした。 2009年(平成21年)からしばらく「ユニトピアささやま」で1泊の猪鍋を楽しむツアーをしていたりした時に、改めて「秀月」の美味しさを認識し、その頃から日本酒の蔵に興味を持ちだしたのもあって、よく前は通っていたのですが、ようやくはじめて蔵に伺えたのが2011年(平成23年)のこと。 その時は、まだ狩場酒造場という名前で、先代の藤井杜氏の時代でしたが、以後、蔵開きにも参加したり、いろいろ蔵のことを知ると、応援したくなりました。 今では、自分自身阪神間、いわゆる灘の酒どころの近くに住んではいますが、それを差し置いて丹波篠山の狩場一酒造さんを応援したくなっています。 ちなみに、自分の中では好きな蔵はあと3つほどあって、秋田の大納川、京丹後の竹野酒造、明石の明石酒類醸造で、それぞれ蔵の考えが面白くて応援したくなってしまった蔵です。 それ以外でも気になる蔵はいくつかあるのですけどねー(笑) ということで、蔵ファンのイベントには、misenさんも参加するだろうし、後輩連れて行っても面白そうなので、2口申込しました。 2月11日 蔵ファン枠で、蔵開きに参加します。(こちら) 今回も車で来ましたが、やっぱり試飲とかしたかったなぁ。 来年は電車で来るかな。 でも、やっぱり今回も楽しかった。 3月7日 蔵ファンのお酒が到着。 おー、ラベルも今まで見たことがないようなものだ。 これ、また味も普段販売しているものと違うなぁ。新たな狩場一酒造さんの可能性を知れたような。 |
なんか狩場一酒造さんの雰囲気とは違う酒 |
3月19日 4月20日に神戸市の海鮮料理のお店でイベントがある模様を知ります。 行ってみたいなぁ。 しかし、その後人事異動にひっかかり、ちょっとドタバタしているのと、翌日は聖地・甲子園だったため断念する。 4月26日 いろいろとイベントのご案内が。 そういえば、3月に蔵ファンのお酒が到着した時に、5月11日に蔵で試飲会イベントがあるとのことだったけど、どうなのかなぁと聞いてみる。 土曜日なので、misenさんは仕事で参加無理なので、後輩UEMとむーちゃんを誘うと、UEMは仕事だけど、むーちゃんは行けるとのこと。 おー。行こうぜー。 5月1日 案内がきました。 10時からと14時からの2部制で、仕込み蔵の2階で、蔵見学と夏酒の試飲、製品販売前のお酒の試飲、利き酒大会もあるそうです。 うわぁ。めっちゃ楽しそう。 1時間半くらいの予定のようですねー。 むーちゃんとは2部に参加して、宝塚に戻ってきて飲むか。ということになりました。 今回は飲む気満々なので、当然列車で行きます。 最寄り駅はJR福知山線・古市駅になるので、そこからてくてく15分くらいかな。 12時半にJR宝塚駅に集合すれば、12時37分の区間快速(と言っても宝塚駅から北に乗れば各駅停車なんですけど)に乗ってJR古市駅に到着するのが13時16分。 もう1本後になると13時42分に着くからちょっと微妙。 1時間に1本ないし2本しかお昼時は止まらないのかー。 5月11日 今日はいいお天気です。 家で、早昼を軽く食べます。 -11:45- 出は行きますか。 てくてく歩いて、最寄りの阪急・小林駅へ。 |
小林駅 | 宝塚行に乗ります |
-12:10- 阪急・宝塚駅で降り、JR宝塚駅へ。 |
JR宝塚駅 |
しばし待つと、後輩むーちゃんもやってきました。 駅に入ります。 特急こうのとりは3分遅れだそうです。 |
289系 特急こうのとり |
こうのとりが行ってから、快速が来ます。 |
321系ですかね |
ここから45分ほど揺られていきます。 -13:15- JR福知山線(愛称・宝塚線)・古市駅に着きました。 |
陸橋を渡る | こじんまりした駅 |
ここ無人駅ですね。 一応、Pitapaは使えました。JR西日本ポストペイエリアなので大丈夫です。 ただ、自動改札機は、簡易型のゲート(扉)のない片側だけの機械でした。 実は古市駅、JR福知山線の中で最高所(標高211m)に位置する駅だそうです。 では、歩いていきましょう。 線路沿いの道から旧街道筋っぽい道に出て、その先まっすぐに進んでいきます。 |
旧街道かな |
マンホールは、丹波篠山市のものかなぁ。 帰宅後調べると、デザイン自体は旧丹南町の町の花・サクラをモチーフにしていますが、丹波篠山市の市章が入ったもののようでした。 |
サクラかぁ |
旧街道の向こうに、狩場一酒造さんが見えてきました。 |
道の向こうに煙突 |
-13:30- 狩場一酒造さんにやってきました。 車が数台いますいね。 |
参加者かなぁ |
中に入ると、お客さんも何人か。 ちょっと応対されているので待ちますか。 |
商品とか立杭焼きの酒器 | 蔵ファン やっています! |
離れて待っていると、女性がおひとりで来られました。 「試飲会にご参加ですか?」と声をかけられたので、「そうなんですけど、今お客さんの応対中なので待っているのですー」という話に。 そして、お客さんが途切れたところで声をかけると、「担当者呼びますので」とのこと。 やってこられたのは、営業の岡村さんでした。 どうもあとひと組来られるようで、その間いろいろとお話を。 女性の方は、南矢代駅から歩くか迷われたそうですが、古市駅のほうが近いということに。 元々は、やはり街道筋で、但馬・京都・播州・有馬へ向かう街道の分岐点で交通の要衝であり、古くから宿場町として栄えたそうです。 岡村さんによると、古市駅の向こう側には伊勢や大阪、京都を示す道標があるそうです。 そんな立地なので、市場ができるには最適で、古来「市」が立ったそうです。 六斎市が開かれ、塩や魚をはじめ、平安時代からこの地方で栽培されていた茶が、この地を経由して摂津や播磨方面へ出荷されるようになると、急速に交易が発達し、宿場町や問屋町として篠山藩の経済の中心地になっていったそうです。 六斎市とは、1と6のつく日とか、2と7のつく日に市場が開かれるということで、月に6回市が立つことになるというもの。 そして、最盛期には旅籠屋6軒をはじめ、米屋、造り酒屋などが軒を連ね、篠山藩随一の賑やかさを誇っていたと言われています。 狩場一酒造さんは、生酒ももちろん美味しいのですが、上撰、佳撰なんかを熱燗や冷や酒(常温)で飲むのも美味しいという話になり、これの4合瓶があればいいねぇとか。 上撰、佳撰は、蔵独自の等級の付け方で、かつては、国税庁が特急、一級、二級というランク付けでしたが、1992年(平成4年)に級別制度が廃止され、その2年前に適用された国税庁告示「清酒の製法品質表示基準」の要件を満たす日本酒だけが吟醸酒とか純米酒とか本醸造酒といった「特定名称」として名乗れるようになりました。 多くの蔵が、その時に特級は特選、一級は上撰、二級は佳撰といったようなこれまで蔵が出していたお酒にそのような蔵独自ランクをつけて販売を続けたものが多いようです。 熟成大古酒が出たけど、あの飲み方はという話で、木下酒造のタイムマシーンのようにアイスクリームにかけて・・・。という話をしていたら、岡村さんから「それ今日やります」と言われたり(笑) 江戸時代以前には、長期熟成酒である古酒は一般的で、「三年、五年と貯蔵した酒は香りがよく、非常に美味い、十年も経つと一見薄く感じるが味わい深く、素晴らしい香りでもっと美味くなる」という趣旨の資料もあるそうです。 江戸時代に清酒の技術が確立され、上方から江戸への下り酒として清酒(古酒に対して清らかな酒)が流通したのが現代に続いています。 そこには、明治時代に日清、日露戦争を酒税で戦ったと言われるほど、清酒には高額で過酷な「造石税」が課せられるなど、さまざまな厳しい環境におかれ、清酒を何年も熟成させるという発想がなくなったこと、また第二次世界大戦後も、蔵元を苦しめた造石税こそなくなりましたが、級別制度などによる国の規制が足かせとなり、「清酒は搾ってから一年以内に飲みきる」ということが常識となっているのが現状です。 近年では日本酒の古酒の普及・技術向上を主目的に設立された「長期熟成酒研究会」では、古酒とは「満3年以上酒蔵で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」と定義されています。 なので、適正管理すれば、10年以上熟成された日本酒は結構あります。 現に、狩場一酒造さんの熟成大古酒 時の職人は15年熟成ですしね。 ウイスキーは、無色透明のニューポットが、樽の中で熟成されることで、タンニンなどの成分により琥珀色に着色されますが、日本酒の長期熟成では、糖とアミノ酸の重合(アミノ・カルボニル反応)によって生成されるメラノイジンにより色がつきます。 最近では古酒を扱う蔵も増えてきましたが、大量生産とならない最大の理由は、ウイスキーと同じで醸造後、ストックとして熟成して販売できないというところになるんでしょうね。 その分、手間暇かかるので価格には反映されますが。 あと、量り売りしたら?とか。業界瓶不足問題とか、昨今の値上がり問題で、一番の問題は水道光熱費だったりとか。 そうこうして待っていると、車1台でお二人が来られ、揃ったようです。どうやら5人の参加のようですね。 午前中の第1部もこんな感じだったそうです。 -13:50- 少し早いですが、では開始です。 蔵に向かいます。 |
蔵への道 |
ちょうど今日は、ミチのムコウプロジェクトの田植えをしているそうです。 山田錦を植えるそうですが、普通の食米より一カ月ほど山田錦は田植えが遅いそうです。 ミチのムコウプロジェクトは、リーダーの吉良佳晃氏(丹波篠山・吉良農園代表、丹波篠山市の教育委員にも就任)を中心にスタートした日本各地の里山が荒廃し、耕作放棄された農地が増えつつある状況の中で、里山の活性化に向けて自然環境と調和した持続可能な生き方を実証するプロジェクトで、狩場一酒造さんも共感され参加しているプロジェクトです。 蔵には、蔵人の前原さんが待ち構えておられました。 今回の蔵ファンは、30代のこの2人が仕掛けています。 まずは、蔵見学に来たことがあるかを聞かれます。 私個人は2016年、2017年、2018年、2020年、2024年と伺っています。 後輩むーちゃんははじめてです。 車で来られたお二人も見学経験ありとのことで、5人中3人が見学経験者でした。 というわけで、初めての方向けの話も多いのでって前提でスタートです。 では、外から蔵を眺めます。 亀甲藤醸造と書かれた煙突がありますね。 狩場一酒造は、1916年(大正5年)に初代の狩場藤蔵の名前にちなんで「亀甲藤醸造」として創業しました。 当初は醤油も醸造していたそうで、道から見える煙突は、実は醤油醸造時代に醤油蔵で使っていた煙突で、今は使われていないものです。 文字が書かれているこの煙突が酒蔵の煙突です。 表からは見えないですよね。 |
亀甲藤醸造 |
靴の裏を消毒して、キャップを被り蔵の中へ。 蔵開きでは見ないような夏の作業ということでいろいろと説明してくださるそうです。 まずは、冬の見学ではスルーされがちな、洗瓶機がありました。 一度に20本洗瓶できるとのこと。 |
洗瓶機 | 洗った瓶を乾燥させる台 |
洗った瓶に瓶詰機で充填するのですが、これも機械でするのですが、最後のキャップも別で人力で行うので、瓶のセット、充填、キャップと3人?の流れ作業で行うので、チームワークが大切だそうです。 |
充填する機械 |
アルコール度数を測る、理科実験室みたいなのもありますね。 |
おー |
仕込み蔵へ。 ここでおなじみの、日本酒のできるまでの説明を受けます。 |
竹内杜氏になってから新しくなった図 |
蔵人の前原さん、以前は和歌山の蔵で働いていて、狩場一酒造が3蔵目。 祖父が丹波篠山って言われていたような。生まれは神戸らしいです。 以前の蔵に日本酒を知らずに入り、2年目で蔵見学を説明する役目になったとき、いくつか覚えておくように先輩から言われたことがあるそうです。 その中のひとつに、日本酒は醸造酒ですが、糖化と発酵を並行して行う並行複発酵と呼ばれる醸造方法になります。 ビールも同様に複発酵なのですが、大麦を糖化槽で糖化させた後、発酵槽で発酵させるので、単行複発酵と言います。 ワインは、ブドウそのものが糖なので糖化の必要はなく、酵母があればアルコール発酵をするので、単発酵酒と言われます。 ちなみに、ウイスキーは蒸留酒なので途中まではビールと同じですがそもそもの分類が違います。 兵庫県が開発した酒米、Hyogo sake 85も使われているそうです。 山田錦と韓国の米を掛け合わせて品種改良したのだとか。 狩場一酒造さんでは、にごりはすべてHyogo sake 85なのだとか。 聞くほうは5人なので、結構質問し放題です。 蔵見学には何度も参加していますが、それでもいろいろと聞きたいことはあります。 麹米・酒母は、文字通り日本酒の元となり、醪となるのが掛米という認識で、麹米が2〜3割の分量なので、よく麹米と掛米を変えている場合があるのですが、それほど変わるものなのかという素朴な疑問が。 答えてとしては「変わる」というものでした。 しかし、察するに、味もそうですが、例えば狩場一酒造さんでは、掛米に日本晴を使っているものもあります。 日本晴は食用米なので、単価としては酒造米よりはコストダウンできるのかなと。 全量山田錦なら、それは美味しい酒ができるかもしれませんが、酒造りってそうではなく、バランスの成果だと思うんですよね。 なので、食用米を使うことは否定しませんし、消費者としても安くて美味しいお酒は大歓迎。 その上、蔵として絶妙なバランスのお酒を造ってくれると、もう消費者は感涙ものですよ。 ということで、見学は続きます。 甑は今は外されています。 昔は、その下の釜はかまどに薪をくべて炊いていたそうで、その時の名残がここにある煙突です。 |
釜 | 今は使われていない煙突 |
この煙突が、先ほど「亀甲藤醸造」と書かれていた煙突ですね。 次に、放冷機です。 |
中にはベルトコンベア |
酒造りの順番とは違いますが、先に圧搾機を見ます。 |
これ多分八重垣式なんだろうなぁ |
日本酒の圧搾機は、近年ではヤブタ式が圧倒的に多いのかなといろいろな蔵を見学して思います。 ヤブタ式は、濾過布の袋に醪を入れたものと板を縦に交互に並べ、横から圧力をかけて搾るものです。 搾り時間が短いため空気に触れる時間が減ることや、醪の注入から搾りまでを自動化できるなどメリットはあります。 しかし、最近では搾られた酒の酒質の観点から槽(ふね)搾りを再開する蔵もでてきています。 狩場一酒造さんは、ずっと槽搾りのようです。 槽搾りの代表的なのは、佐瀬式と八重垣式。 どちらも機械を制作したメーカーの名に由来します。 どちらも濾過布でつくられた袋に醪を入れ、板と交互に重ね、最初は自重で、最後に圧をかけて搾るものです。 佐瀬式と八重垣式の違いは、佐瀬式は深い槽で、袋に詰めたり重ねる作業は蔵人がやりますが、八重垣式は浅い槽で、先に袋と板を重ねた後に、ポンプで注入していくというもの。 佐瀬式は槽の中で搾り、八重垣式は槽の上で搾るので、八重垣式のほうが空気に触れやすいということですね。 したがって、よくある新酒のシュワシュワ感(発酵の際に出る二酸化炭素)のある商品は、八重垣式ではつくりにくいということになりますが、空気に触れて酸化することでいまろやかになるという利点もあります。 圧搾ひとつとっても奥深いですねぇ。 狩場一酒造さんが槽搾りをされる最大のポイントは、残った酒粕がとてもしっとりしていることです。 圧をかけて、最後まで絞り切らない。 圧力をかけすぎると酒が濁り、酒質に影響を与えてしまうからとの、これはご当主の考えとのことでしっとり酒粕なのですが、消費者にとっては嬉しいことなのです。 夏の作業として、瓶を干す台の修理とかもされていましたよー。 大蔵に入ります。 |
いざ大蔵へ |
冬の見学では、タンクの中の発酵した醪を見て、香りや音を楽しむのですが、酒造期ではない今はそういうのはないです。 見慣れない機械がありました。 これは、長期間保存した日本酒によくみられる、澱(おり)を濾過する機械だそうです。 |
NSKエンジニアリング ミニミニダイナミックフィルター小型濾過機 かな |
日本酒造りでは、一般に澱を沈殿させて上澄みを取る澱引きという工程を行いますが、取り切れていない時に見えますね。 タンクの下側に、取り出し口が上下に2つありますが、上の口から取り出すと沈殿した澱が出てこないということです。 また、長期間保存していると、酒の主成分が固まり結晶化しますし、寒冷地では年数に関係なく冷え込む冬期に澱が発生し、白く濁ることもあるとのこと。 飲んでも害はないですし、温めると澱は消えます。 まぁ、見栄えの話ですかね。「異物混入」とかが騒がしい時代ですし。 濾過前後を瓶詰したものを見せていただいきました。 |
これですよー | 左澱入り 右濾過後 |
画像にするとわかりにくいですね。 また、日本酒はできあがった時には少し黄色がかった色をしているのですが、「清酒」という名のイメージから、黄色味のある酒は古いものという一般イメージがあるため、活性炭を投入して色を抜くことが多いです。 |
黒いぞ | 炭入れるってこんな感じだったのだ |
活性炭もまた、フィルターでろ過して抜き取るのですが、今回見せていただいたのは、ペーパーフィルターの機械と、ナノチューブなフィルターの機械の2つ。 ナノチューブなフィルターのはSFフィルターと呼ばれるものでしょうか。YG M×1型かな。 メーカーのホームページを見てみると、このフィルターは4年くらいの寿命はあるようです。 ちょうど取り替えたところらしく、交換後のフィルターを見せてくれました。 |
SFフィルター YG M×1型と思う | フィルター |
本体には常に水を充填しておかなければならないそうで、普通は中が見れないそうです。 ナノチューブかなと思ったら、中空糸膜フィルターのようですね。 ナノチューブはもっと細いものってことですか。 穴の開いた細いチューブが束になっていて、シリンダーの中に二つ折りで入っています。 この1本1本に破れがあると、空気が出てくるそうなので、針のようなものでチューブ1本1本をつぶして延命したそうです。 フィルターを通すことは、クリアにするというのもありますが、フィルターの性能が上がれば上がるほど必要なものも除去していく可能性も高まります。 一方、例えば紙フィルターを使った場合は、一般人にはわからないでしょうけど、官能試験に携わるような人ならわかるそうです。 品評会などに出すと、常日頃微妙な違いを見極めてる蔵人さんでもわからないレベルでも、検査官のチェックでは「濾過による影響あり」などついてしまうそうです。 次は、麹室を見せていただきます。 麹室は、麹が育つ場所なので、酒造期は見ることができません。 狩場一酒造さんでは、4年前に新たな麹室を設置したので、その時の蔵開きでは使う前の麹室を見させていただけました。 それ以来ですねー。 下で蒸された麹米は、こちらに人力で運ばれます。 麹室は35℃ほどに保温されていて、ここで蒸米を広げ(引き込み)、麹菌を振りかけて(種切り)繁殖させていきます。 麹菌が蒸米に均等に着くように手で揉んでいきます。(床もみ) 初日は床もみした麹米を山積みにして布をかぶせて終わり。 翌朝、一晩で麹菌の菌糸が伸び絡まっているので、山をばらばらに崩して酸素がいきわたるようにします。(切り返し) この切り返しには、麹切返機を使っているそうです。 |
こっちで床もみ 向こうで温度管理 | 麹切返機 | 三菱電工 SUPER LINE E |
その後、隣の部屋に麹箱に小分けして置かれ、そこで麹の温度を40〜43℃に保ちながら最初は1時間ごととかに温度管理するそうです。 温度を下げるのに、天井の小窓を開いたり、麹箱の下に板をかませて下からも空気が入るようにしたり、麹箱内の仕切り位置を変えてみたりと調整するそうです。 そうやって、3日ほどかけて麹を完成させます。 出麹ってところですね。 |
仕切りの位置変えたり | 板で底上げたり |
ひとつひとつの工程にちゃんと名前がついているのも、いかにも日本人らしいなぁと思います。 でも、そうやって技は伝承されていくのですね。 -15:05- それでは試飲タイムです。 |
岡村さん作成の試飲台 |
まずは、澱がらみの夏酒を検討しているそうで、その味についての意見が聞きたいとのことです。 5種類あります。 アルコール度数 17% 澱10% アルコール度数 17% 澱5% アルコール度数 17% 澱3% アルコール度数 15% 澱5% アルコール度数 15% 澱3% |
見た目はそう変わらない | 澱がらみ |
チェイサーに仕込み水をいただきながら試飲します。 まずは、17度 澱10%から試飲。 おー。濃いい。酸味が強いな。 続いて17度 澱5%。 お、飲みやすい。 そして17度 澱3%。 ちょっと薄くて、おりがらみとしての特徴がないかな。 17度では澱5%かな。 そして、15度を試します。 まずは澱5%。 おー。これもいいねー。 澱3%。 全体的に薄い感じ。 個人的な好みは17度 澱5%か15度 澱5%。 ちょっと衝撃だったのは、アルコール度数2度違うだけで、これほどの差が出るというところでした。 この2つが商品として並んでいたら、自分自身は迷わず17度を手に取るけど、最近の傾向としては高めは売れにくいそうです。 そうなんだ。 で、蔵としての推しはどうかと聞いてみたところ、同様に17度 澱5%か15度 澱5%だそうです。 そうなんだよねー。5%がバランス的にはいいんですよね。 飲む場所、合わせる食べ物なんかによっても変わるし。 あと、夏らしい商品名にも苦慮しているそうで、全国各地の蔵で、やっぱり名前が似てくるそうです。 そうなると、商標登録とかしているとややこしいし、横文字の名前も狩場一酒造のイメージじゃないしねって話で盛り上がり。 |
いろいろ試飲 |
おもむろに、岡本さんがAからDと貼られた利き猪口を並べ出しました。 そして、回答用紙が配られます。 純米吟醸と、本醸造を当てるそうです。 おー。結構試飲してからこれかぁ(笑) Aは大吟醸かなぁ。感じとしては純米吟醸はBっぽいというのはわかりました。 CとDでわからなくなりましたねー。 どっちもスッキリしているんですよ。 結果、Cにしました。 |
純米酒と本醸造を当てる | BとCにする |
1部の方は正解者いなかったそうです。 そして、結果は・・・。純米酒B、本醸造C! 見事正解しましたー。 2部でも唯一の正解者でしたー。 でも、正解賞品とかないです(笑) ちなみに、Aは予想通り純米大吟醸、Dは月の氷室でした。 おー、やっぱり夏酒はスッキリ感あるんだねぇ。 仕込み水、美味しいです。 武庫川上流の伏流水ということで、軟水だそうです。 いわゆる宮水で仕込まれる、灘の酒は男酒と呼ばれ、硬水ですね。 自分自身の好きな傾向としては、軟水仕込みのほうなのかなぁ。 これ、売ったらいいのにって話が出ましたが、水は酒以上に衛生管理が厳しいそうで、なかなか難しいそうです。 お土産は、仕込み水をちゃんとボトリングしたものでした。 おー。これ貴重! |
ステキすぎる |
熟成大古酒 時の職人をアイスクリームにかけていただきます。 おおー。これ美味ーい。 |
いいねー |
いただいた後は、好きなの試飲してくださいねーとのこと。 いろいろと楽しませていただきました。 |
熟成大古酒 時の職人 |
前原さんの裏話もいろいろと楽しませてもらえました。 杜氏の肌は美しいのはなぜかとか(謎笑) |
甘酒もいただいた |
さて、電車が1時間に2本なので、16時前となりましたので、そろそろ終了しますか。とのことに。 月の氷室も買っていこう。 -16:00- ありがとうございましたー。 |
田植え終わっています |
てくてく歩き始めてから気づきましたが、スタンプカードいっぱいになったけど、500円いただくの忘れていた。まぁいいか(笑) 次の電車、16時20分くらいだったかなと歩いていると、後輩むーちゃんが調べたら15分とのこと。 お、ギリギリかなぁ。 |
野焼きの中を突っ切る |
乗れないかなーとあきらめていたのですが、駅が見えたあたりで、踏切が鳴り出しました。 ・・・。走ったら乗れるんじゃない? |
駅着いたー | ちょうどきた |
-16:15- というわけで、ちょっと走ってJR福知山線・古市駅に到着。 なんとか乗れました。 行は余裕で座れましたが、帰りは結構混んでいますねー。座れないや。 あ、これ丹波路快速なんだ。 といっても、三田駅から先で、道場駅、武田尾駅、生瀬駅をパスするだけなのでそう早くはないですねぇ。 宝塚でどこに行くか相談。 17時からやっているところを中心に探し、駅前の焼き鳥屋さんに行くことにしました。 -16:50- JR宝塚駅に戻ってきました。 -16:55- 駅出てすぐの「とりぞう」さんにやってきました。 開店前ですねー。しばし待ちましょう。 |
とりぞうさん |
-17:00- 開店です。 「予約していますか?」と聞かれます。 していないと答えると、確認しますとのこと。 え?いっぱいなの? カウンターで座れることになりました。 ちなみに、あとから来た方は「6時20分までなら」とか制限付いていました。 危なかった。 注文は、タブレットでするようになっています。 効率化と人件費の関係ですかね。 まずはビールですね。 |
17:04 ビールで乾杯 |
いろいろ注文します。 |
やみつききゅり | フライドポテト |
焼き鳥もいきますよ。 基本、むーちゃんも塩のほうが好みなので、好み合ってよかったよ。 |
唐揚げも頼んだ |
ビール、もう1杯いくかな。 |
17:14 ビール2杯目 |
そして焼き鳥。 |
うまーい |
ハイボールにシフトします。 |
17:25 ハイボール |
焼き鳥もすすみます。 |
いいねー |
そうなると、ハイボールもすすみます。 |
17:37 ハイボール2杯目 |
2回目の食べ物オーダーしました。 |
焼き鳥 | うずらとか明太子乗ったのとか | つくね これはタレだよね |
エビマヨだったか | コロッケ | もものタルタル南蛮 |
そして、ひたすら飲みます。 |
18:00 ハイボール3杯目 |
18:16 ハイボール4杯目 |
18:38 ハイボール5杯目 |
締めしますか。 |
焼きおにぎりスープ |
スープが別で付いてくるのかと思ったら、スープに焼きおにぎりINでした。 |
とりスープ麺でもよかったかな |
ではそろそろ終わりますか。 美味しゅうございました。 -19:00- 阪急・宝塚駅で解散します。 |
宝塚駅の19時は人少ないな |
阪急電車に乗って帰りますよ。 -19:15- 阪急・小林駅で降ります。 てくてく歩いて帰宅しました。 |
月の氷室と仕込水 |
この時期に狩場位置酒造さんの蔵を見られるとは思いませんでしたし、いろいろな試飲もできて、本当に楽しい一日でした。 おつきあいいただいた、後輩むーちゃんありがとう! 蔵ファンの活動、今後も期待です。 |
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